クソ蟲の嘯き

愚痴と語りと備忘録

『普通』ってなんなんだろな 2

前回からの続きとなります。


前回、「普通」とは、あくまでその人の尺度によるものに過ぎない、決して普通ではない。
と言いました。


こう結論づけるに至るには、もうひとつエピソードがありました。


そもそも普通とは

特に変わっていないこと。ごくありふれたものであること。それがあたりまえであること。また、そのさま。

という意味みたいです。

普通に〜だった。
といった程度を表す意味合いとして使わない場合、多くの人が上記の意味で普通という言葉を使うと思います。


ただこの普通という言葉、そもそも定義からしてかなり曖昧なんですよね。


この曖昧さの理由は、主に2つあります。

特に変わってないこととは


例えば、Aという集団に属する人と、Bという集団に属する人がいるとする。

この2つの集団の人口比率が99:1の場合、両者比較した時おそらくAに属する人のことを普通、Bに属する人のことを異端と見なすのが大抵の場合であると思います。


このAに、例えば体に障害がない、セクシャルマイノリティでない、精神を患っていない、アレルギーを持っていない、複雑な家庭環境でない、などの様々なケースが入ってくる。

Bは、体に障害があったり、セクシャルマイノリティであったり、精神を患っていたり、アレルギーを持っていたり、家庭環境が複雑な人達が属する。


具体的な比率等は定かでは無いが、今の社会はこんな感じであると思う。
今の社会でマイノリティというと、こういう社会的弱者であったり、奇特な病気を持っていたり、少し変わった環境に置かれていたり、そういった人達のことを指すはずです。


例えば、このAとBの比率が逆転した場合、普通は という言葉の指す意味も逆転します。


また、AとBの比率が同じ場合、普通ってどっち?となって、定義できません。


今現在普通、一般的とされているグループがいつ異常、異端とされるか分かりません。


特に変わっていないこと、という定義はかなり曖昧で、時間や時代と共にうつり変わってしまうものである。今の普通が明日の普通とは限らない。

その事を肝に銘じておくべきだと思います。


語り手の価値観に左右されすぎる


2つ目の理由です。


先述の1つ目の理由よりはるかに問題で、先程の大きくふたつに分けているケースでは、時代と共に普通のさすグループが変わるにしても、とりあえず話しているその時では間違いなく機能するものでした。


ところが、この普通という言葉が、語り手の価値観や視野の広さによってあまりにも左右されるということが問題で、その割に、普通は〜・普通の人なら〜という言葉があまりにも強いのが厄介です。


大抵会話に普通は〜というワードを多用する人は、その普通のさすところはその人の価値観の中での一般です。



例えば、その人の住んでいる国ではみんな、何かしら決まった宗教を信仰しているとしましょう。
その国に、別の宗教を信仰している人が移住したら、例えば移住した人の信仰する宗教が全世界で見てメジャーだったとしても、その人は国の人から異端と見なされることになります。(信教の自由が保証されていない国では)

異端だと見なす人達は、その自分達の価値観や視野に存在しない物を目の当たりにしているので、ある意味では当然です。

このように

普通のさす定義は、個々の価値観によって変化します。

これら2つの理由によって、普通という言葉のさす対象が、時代だけでなくそもそも人によって変わってしまうと言う事です。


なので、他人に考えを論じる時や、諌める時、叱る時に 普通は〜 という言葉を用いることは不適切だと思う。


物事を語る時の主語がいちいち大きい人は、基本的にその狭い視野の中での当たり前を押し付けてきます。
そういった人達の主張する言葉は、あまり鵜呑みにしない方がいいです。

多用しがちな「普通」という言葉も、語り手が意図しない程強大なインパクトと影響力を持っていますが、その実とてもあやふやなものです。


自分も子供時代には、親の言う

普通の人ならできて当然、わかって当然

という言葉に苦しめられてきて、その度に普通という言葉について考えることが多かったです。


親の視野内に映る人間は皆普通にできていた、わかっていたとしても、それは僕の視野内にある人間では普通ではない、当たり前ではない。


今はこれにもっと早く気づきたかったなあと思います。


普通、という言葉以外にも。世間では当たり前、とかも同じような感じですよね。

その人の使う世間という言葉が指す対象は、結局は自分の観測範囲内の人間だけです。


前回挙げたNoteの人も、普通の男性がいない、という旨の記事を書いてましたが、結局引用リツイートでもコメントでも


普通のハードルが高すぎる。

あなたにとっての普通は、普通ではない。


といった内容のものがいくつか見受けられました。


こういう強めな言葉を使う際は、反感を買うので気をつけた方がいいです。







なんか途中から何が言いたいのか分からなくなってきた…

まぁ、あんまり他人の言うこと真に受けるなってことっす、皆案外適当なことしか言ってないので、マジで。